サブタイトルのHeart of Stoneは変わらずローリングストーンズの楽曲から。
言葉の意味はそのまま石の心だが、転じて【血も涙もない】という意味があるようだ。
そりゃひでぇ。
前回のあらすじ:ウル婆大活躍。
天理だけは10年前の桂馬のことを知っている。
現在の状況を把握しているのも天理だけ。
つまり自動的に実況・解説鮎川天理が成立する。
スーパー天理タイム!!
今までの出番の少なさの反動か、とにかくしゃべってしゃべってしゃべりまくる。
柱の登場人物紹介も桂馬より先で一番最初だった。
いいぞもっとやれ。
過去編では最大級の出番があったけど、あれは過去の話だ。現代じゃない。
天理の説明している内容は今まで起こったことそのもの。
読者には分かりきっていることなのでそれほど見るところはない。
しかし桂馬は現代で何が起こっていたのかは分からない。
かくかくじかじかでは済まされないイベントなのだ。
ところで今回は”ドクロウちゃん”と呼んでいるわけだがなぜだろう。
”ドーちゃん”と呼んだら桂馬が分からないと思ってそう呼んだのだろうか。
行きが女神なら帰りも女神。
そりゃそうだ。
でも今までのドーちゃんやじーさんの説明で女神ではなく宿主の方が重要という流れだった。
天理も別段女神の力で呼び戻すとは言っていない。
両者の中で意見の一致していない、桂馬の早とちりの可能性もある。
その場合、復帰後になるかもしれないがさらにひと悶着ありそうだ。
渡航機が壊れ、過去と未来が繋がらなくなった。
ならば通信はできないはずだし、そもそも世界がなくなっているのだから未来には何も存在していないはずだ。
ならば桂馬の疑問も当然である。
全てなくなったはずの世界に残された人がいる。
残されているのは女神の宿主+桂馬。
本当に世界が消えているのであれば女神とて例外ではないはずだ。
さらに桂馬と壊れた渡航機が残されていることからも、そこに何らかの意志が働いてることが分かる。
今はまだ片鱗しか見えない、より上位の何かの意志が。
返ってきた答えは、”ここにはいない”
球が修復されることで桂馬は意識を取り戻したが、エルシィは消えたままだった。
これが意味しているものは何か。
渡航機を修理し過去と未来が繋がったところで、何事もなかったかのようにエルシィは帰ってくることができるのか。
天理の説明だとやはり女神ではなく、宿主の力が必要だということになる。
ウル婆が修理するのにも力を借りようとしていたし何かあるのかもしれない。
今のところ思い当たる節は、ユピテルの姉妹の力の源は絆というところだろうか。
自身の肉体を失っている女神達が本来の力を使うためには宿主達の方にも絆が必要となっている可能性もある。
世界の命運がかかっているのだから、直せませんでしたではすまない。
だから直せそうになくてもやってみるしかない。
最もウル婆本人は直せると言い張っているし、現に球の修復には成功しているのだから渡航機を修理することも可能なのだろう。
しかし桂馬はまだやることがある、と待ったをかける。
そういえばまだやること残ってるって言ってたね。
過去の準備が終わってない、フラグが繋がらないってことは穴開け作業はやはりカットされたのではなくこれからだったのだろう。
先に渡航機のところにきたのは、ひとまずどうやって動かすのかを確認しにきたとかそんなところか。
早く戻ってきてね。
早く戻ってきてね。
早く戻ってきてね。
ダメだよダメだよ言ってたときに比べて大分余裕のある天理。
流石に本人と話が出来ている状態では余裕ができるか。
何というか現状ではやはり他ヒロイン達に比べて信頼というか絆というか、嫁力が高いね。
ところで汐宮栞さん、貴女何普通に手離してるんですか?
待ったをかけたのは過去の桂馬だけではない。
現代においても歩美が一人桂馬を呼び戻すことに反対する。
一人状況の理解できていなかった歩美。
ウル婆に世界の命運がかかっていると言われても「だから何」と一蹴する。
身勝手だと言われてしまっても仕方のない言動だろう。
かつて桂馬の力になってもいいと言ったときに、「必要ない」と言われたことがある。
もちろんそれに対する意趣返しというだけではないだろう。
桂馬が何をしていたのか。
周囲の人物と桂馬の関係がどういったものなのか。
今何が起こっているのか。
理解できないことだらけの中で、自分の中にあってぶつけられるものがそれしかなかった。
溜まっていたストレスや感情を上手く吐き出せなかったためにそこに行き着いてしまった。
これは人によって評価の分かれるところだろう。
急に世界の命運だとか言われても信じられないし納得できない。
感情的に動くのが自然だという人もいる。
一方で、状況を見れば普通でないことは一目で分かる。
そんな中で自分の中に”普通じゃないもの”がいることは分かっているのに、考えもせず感情的に振舞うのは褒められたものではない、という人もいるだろう。
自分は後者だ。
感情を優先して行動するというのも分からなくはないが、状況を少しは考えようとしろと思う。
しかし高原歩美というキャラクターは”真っ直ぐにしか考えられない”と親友をして言われたキャラだ。
今も分からないことだらけの中で変わらず、自分の気持ちだけを考えている。
だから自分勝手とも言えるし、実にらしいとも言える。
歩美が桂馬を助けないと言い出した背景には、何も言ってくれない桂馬に対する憤りと”言ってくれない桂馬のこと”を知っている天理に対する嫉妬に近い感情がある。
ただ自分が状況を理解できていないだけだったなら、 助けないなどと言わなかっただろう。
裏を返せば助けて欲しいのであればきちんと説明して欲しい、そしてそ天理や他の人からではなく桂馬の口から助けてくれと必要だと言って欲しいということだ。
だから天理にも直接事情を聞いたりはしない。
ってええええええええええええええ!?
天理さんそれ伝えちゃっていいんですか?
心に穴を開ける、てのだけだと事情を知らなければなんのこっ茶ではあるが割りと重要な情報である。
情報というか普通に考えたら秘密のはずだ。
本来であれば伝えたとしても桂馬が直接言うべきことであり、少なくとも桂馬の了承無しに伝えて良いことではないのではないか。
それを今ここで天理から伝えることにどのような意味があるというのか。
やはり桂馬のやり残したこととは、心に穴を開けることだった。
住所が分かっているので最悪時間をかければ見つけることは難しくないが、エルシィのサポートなしに行動するのはなかなか苦しい。
流石に住所だけだと距離感は分からないのでなんとも言いがたい。
エルシィ天の声みたいになってんぞ!!
これはエルシィが肉体は存在していないが、精神だけあるいは概念のように存在しているということなのか。
あるいはただの幻聴か(夢がない)。
というわけでまずは高原家にやってきた桂馬。
明らかに家の形が現代とは違うからやっぱり引っ越すのだろう。
しかし残念ながら空振りで、誰もない。
というかですね。
どっから女装セット出したんだ!?
エルシィがいないのにどうやって用意したんだソレ。
急遽エルシィと別行動になる可能性も考えて予め用意しておいていつでも使えるようにしていたのだろうか。
あと腕カバーどこいった。
とりあえず後回しにするかどうかを迷っていたところに、歩美のことを知る人物が現れる。
ああ、うんこの流れ知ってる。
この状況で出てくるのは1人しかいないだろう。
トラウマメーカー 小阪ちひろ
前回登場時は盛大に桂馬の心を抉っていった彼女。
もはや完全に歩美とはセットになっていて、切り離して出てくることの方が少ないぐらい。
しかし桂馬はトラウマとも言える傷を乗り越えた。
天理の献身の甲斐もあってか、直接相対しても自責の念に囚われたりはしない。
とはいえこれはどうなんだwww
いくらなんでも復活しすぎである。
確かに今の桂馬は女装しているのでばれる心配は(あまり)ないし、ここにいるちひろは過去のちひろで未来の自分とは関係がない。
だからといってこれはそうやって開き直っているとかそういうレベルではない。
元通りを通り越している。
そして既視感のあるこの組み合わせ。
柱にある通り、ちひろをバディにする展開再びである。
とはいえ女神篇のときはちひろの了解は得られていないし、最終的にもバディというよりはなし崩し的に一緒にいたという状態だった。
今回は果たしてどうなるのか。
歩美はスイミングしてたのね。
途中で水泳か陸上かを選ぶような時期があったのだろうか。
それとも普通に途中で止めてしまったのか。
そしてスイミングとなるとみなみちゃんの出番が期待できなくもない。
ないのだが、この時点だとあの娘まだ4歳だから幼女とかそういうレベルじゃねぇ。
さてサブタイトルはHeart of Stoneで【血も涙もない】だったが、誰がそうだったのか。
状況を理解しようとせず桂馬を助けることを拒んだ歩美か。
その歩美に桂馬との関係が思っているようなものではないということを伝えようとしている天理か。
いやいや、考えるまでもない。
実に自分勝手で相手の状況も関係なく自分の都合で人を動かそうとしている桂馬こそ間違いなく”石の心”を持っているのだろう。
ところで今やっている辺りは良く”過去編”と呼ばれているが、開始時には”Heart of Jupiter”と銘打たれていた。
何かかかっている所があるのだろうか。
・おまけ
これもちひろ詐欺の一環だろうか。
あと25巻の表示が公開されていた。
表紙はドーちゃんこと二階堂先生。
天理に続いて3キャラ目の2回目の登場である。
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