解説といっても明示的なもの以外は自分で見て推測したものがほとんどなので正しいかどうかは分からない。
とりあえず朝一から3回連続ぶっ通しで見てきたのだが、入手した色紙が全部杏さやだったのが遺憾の意である。
アルティメットまどかが欲しかったのに・・・
都合上ネタバレをしないようにするのは非常に難しいのでそれが嫌な人は読まないほうが良いかも。
・感想
結末については賛否両論は避けられないだろう。ただ個人的には展開も、ほむらの選択も違和感無く受け入れられたので非常に良かったといえる。
ただほむらの選択に対して他のキャラクターや世界がどう応えたか、またほむら自身も選択した答えについてどう思っているかが描かれなかったので『もやもやする』という意見についても良く分かる。
つまりは是非とも続編を、ということだ。
以下、手加減無しで全力ネタバレあり。
全編を通してなかなか衝撃的な内容。
しょっぱなからまどかが出てきて時系列が良く分からなくなる。
最初の魔法少女五人衆とかどこの戦隊物だよｗｗｗｗプリキュアかよｗｗｗｗといったノリ。
しかも恥ずかしいポーズと決め台詞まである。
あれはマミさんがみんなにやるように指示したのだろうか？
案外言いだしっぺはまどかのような気もするが。
魔女の正体については最初はまどかかと思った。
ほむらが主人公視点だったので、完全に候補から外していたがまさかのほむらが魔女。
TV版・劇場版後編のほむらからは魔女化の想像ができなかったのもある。
しかしその点についてはちゃんと設定で補足されているので気にはならなかった。
円環の理すら遮断するフィールドを作れるインキュベーターぱねぇ、とかそういったツッコミは無しだ。
元々魔法少女化自体ぱねぇというレベルの技術なのでその点についてはツッコんでしょうがないということ。
なぎさについては予想通りの正体だったが、さやかは予想外だった。
ネタバラしも早かったが、その分魔女同士の戦いという形でオクタヴィアが出てきたシーンは滾るものがある。
その後の杏子との会話も心に響く。
この辺りのTV版でフォローのなかった関係に決着が着いているのは見所だろう。
ほむらにかける言葉にもほむらを慮っている様子が見て取れる。
自分と同じように苦しんだほむらに思うところがあるのだろう。
自分が魔女になっていたことに絶望したほむらがその呪いを受け入れ自ら死を選ぼうとしたところから、まどかを神の座（円環の理）から引き摺り下ろし世界を再構築する流れは予想できない展開だった。
なんとなくの期待感はあるがまさか本当にやるとは思わなかったという展開。
まどかと敵対してでも同じ世界にいたかったということなのだろう。
戦うことになってもいい、ただそこに居てくれさえすれば良い。
それは間違いなく本心なのだろうが、この世界のほむらではいつまでも耐えられそうにないように思える。
最後のシーンでもどこかまどかが思い出して来てくれるのを待っているように見える。
ほむらがまどかを引き裂き対立する道を選んだ展開は、どうあっても賛否の分かれるものだろう。
あそこで浄化される運命を受け入れていればハッピーエンドの終わりだったのかもしれない。
しかしほむらが浄化されることを拒んだことにより安易なハッピーエンドにはならずに、物語は続いていくことになる。
”悪魔”となったほむらがこれからどうするのかは語られていない。
明確に神と対峙するのか、それとも別の道を探すのか。
続きがあることを切に願う。
・解説（というか気づいたこと）
・見滝原の舞台
作中で明言されているが、舞台となっている見滝原市は魔女化したほむらの結界。ほむらの望んだ”都合の良い世界”がそこに再現されている。
円環の理という浄化システムが存在しているのにほむらが魔女化した理由は、インキュベーターの用意した干渉遮断フィールドのため。
このフィールドが外部からのありとあらゆる干渉を遮断しているため、まどかがソウルジェムを浄化できずソウルジェムは本来の機能通りグリーフシード化しようとしていた。
実際には外部との干渉が断たれているので完全にグリーフシード化することはなく、ソウルジェム（＝ほむらの魂）の内側に結界を形成して世界を構築。
ほむらの内側だけで完結する完全な世界がそこにできあがった。
本来であれば外部からの干渉は不可能なのでその結界は何の役にも立たないしろものであったが、例外的に”ほむらが招待した者”だけがその世界へと招かれて閉じ込められてしまう。
招かれた者たちは世界を構築する必要素であり、その世界で”都合よく振舞うこと”を宿命付けられる。
本編中で明確に招かれているのは、巴マミ・佐倉杏子・志筑仁美・上条恭介・中沢くん・まどかの家族・先生・鹿目まどか（＝円環の理）であり、美樹さやかおよび百江なぎさについては不明。
さやかとなぎさが結界内に存在しているのは、ほむらにとってはまどか＝円環の理であり、2人も円環の理の一部であるため招かれた者とみなすことができたためだろう。
・干渉遮断フィールド
正式名称は不明。インキュベーターの作った外部からの干渉を完全にシャットアウトするフィールド。
このフィールドでほむらのソウルジェムを覆うことで、円環の理によりソウルジェムが浄化されるのを防いでいた。
その目的は、円環の理＝鹿目まどかを観測すること。
本来であればソウルジェムの浄化のシステムは観測できず理解不能なものであったため、それを観測するための実験場としてほむらのソウルジェムを利用しようとしていた。
フィールド内のソウルジェムを浄化するためにはほむらに招かれる必要があり、招かれた存在であるまどかが浄化を行えば円環の理を観測できる可能性がある。
観測できれば理解でき、理解できれば制御も可能となる。
時間はかかる可能性が高いが可能になってしまえば円環の理が完全に機能しなくなってしまう。
だからほむらはまどかの望んだ結末を無駄にしないためにも自ら呪いを受け入れることを選ぶ。
・ナイトメア
見滝原市に出現する敵。その正体はほむらが作り出した”魔法少女を維持するための必要悪”。
魔法少女が存在するためには明確な敵が必要であり、 そのために用意された存在。
ほむら本人も完全に忘れている（都合よく振舞わされている）が、魔女化したほむらの手がナイトメアを操作している。
・巴マミ 佐倉杏子
現実世界で生きている魔法少女。2人はほむらの招待によって結界内に取り込まれてしまっただけ。
結界に取り込まれ世界の構成要素となったことで記憶が改竄され、世界に”都合よく”振舞っている。
ほむらによって世界が再構築された後にも変わらず魔法少女として生きている。
・美樹さやか 百江なぎさ
かつて円環の理に浄化された魔女。円環の理によって浄化された存在は自身が魔女化したことを覚えているようで、その在り方を受け入れている。
通常の世界の秩序から外れたため、円環の理の一部となって浄化の手伝いをしている。
2人がほむらの結界内に存在していたのは円環の理（＝鹿目まどか）の一部として招かれたからであり、直接招かれたわけではないので記憶の改竄は行われていない。
さやかの「誰とも争わずみんなで生きていく世界を望むのは悪いことじゃない」という言葉は他でもないほむらへとかけた言葉だった。
ほむらによって世界が再構築された後には記憶の改竄され何も知らない魔法少女として存在している。
・鹿目まどか
円環の理として招かれた客。ほむらにとっては円環の理＝まどかであるため、鹿目まどかとして呼び出され結界内に存在している。
本来であれば宇宙に存在しない概念でしかないため人として存在しないはずだが、ほむらの記憶によって補完され世界の構成要素となっている。
結界世界に取り込まれているため記憶が改竄されているどころか、ほむらの望むまどか像として存在している。
ほむらによって世界が再構築された後には帰国子女として見滝原中学に転校してくる。
未だ円環の理との繋がりは完全には断たれていないようだがほむらに阻害され、その力を取り戻すには至っていない。
・暁美ほむら
本編主人公にして、魔女化して結界世界を作り出した本人。TV版および劇場版全編・後編のほむらと同一人物の可能性もあるが、恐らくはパラレルな存在。
自分だけがまどかの記憶を持っているという孤独に耐えられず心が押しつぶされてしまった。
魔女化し自身の内側に結界世界を構成することで、自分の望む”理想の世界”を作り上げていた。
作り出した世界に取り込まれることで自身の記憶すら改竄してしまった結果、ありえないはずの魔女を打ち倒そうと行動することとなる。
同じように結界に取り込まれたまどかと接しその本心を知ってしまったことにより更に深く絶望、インキュベータにまどかを渡さないためにも自ら魔女化し打ち滅ぼされることを選ぶ。
自ら呪いを受け入れ滅ぼされることを望んだが、円環の理としてやってきたさやかとなぎさの協力を受けた魔法少女達の手によって解放・浄化されることとなる。
しかし結界の中で触れ合ったまどかの本心である『一人でどこかに行ってしまうのは怖い』という思いと、『まどかと離れたくない』という願いのために浄化の瞬間にまどかと円環の理を切り離す。
【まどかを救いたい】という祈りと【まどかた離れたくない】という呪いを併せて飲み込み、感情の極み・愛として神となったまどかをその座から引きずり落とす悪魔となった。
これにより再度世界は改変･再構築され”魔女化する前に浄化されるが、鹿目まどかの存在する世界”を作り上げる。
数え切れない世界を渡り歩き、”神にも匹敵する因果に囚われたまどか”を作り上げたほむらもまた”神を殺しうる因果を持った悪魔”足りえる存在だったということだ。
改変後の世界では見滝原中学に通う生徒として、転校してくるまどかを迎える。
何も知らないまどかに対し「欲望と秩序のどちらが大切か」を問う。
「秩序」と答えたまどかと決別、リボンをまどかに返している。
・魔法少女の変身シーン
何故か皆踊っている。完全に推測、というか思いつきレベルだが世界に踊らされている魔法少女という演出ではないかと思う。
また、ほむらのみ魔女文字が展開されており、これがほむらが魔女を知っているor魔女であることを示している。
・マミさんが時間停止中に動ける理由
ほむらとリボンで接続されているから。お茶のおかわりを入れるために台所に向かうシーンでほむらの後ろを通る際にリボンを落としている。
・半分の丘で椅子に座るほむら
EDのスタッフロール後のシーン。椅子が置いてあるのはまどかと2人でいた場所だろう。
半分になった丘と月は世界の半分と決別したことを指してる。
その半分は自分と同じ次元の存在であり、ここに至るまでの全てであったまどかのことだろう。
しかし完全に決別したわけではなく、椅子に座ったまま何もない空間に肩を寄せたり物音に期待するかの様な目で振り返る様子からもまどかが自分のことを”人間として思い出してくれる”ことを心のどこかで期待しているのかもしれない。
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